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  • 2014年09月09日

ブランディング

50万人の観光客を呼び戻した「有馬温泉」に学ぶ!地域のブランディング事例

こんにちは、編集部のわたなべです。

 

今回は、有馬温泉についてレポートします!

 

…というと、湯けむり温泉ツアー?のような絵を思い描く方もいらっしゃるかもしれませんが、違います(笑)。ご存知の方も多いと思いますが、実はこの有馬温泉、「地域のブランディング事例」としても有名な土地なんです。

 

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さらに、有馬は当社代表のゆかりの地。子どものころに有馬温泉から山をひとつ隔てた街で暮らしていて、今でも大の有馬好きなのだといいます。先月、私が出張で関西を訪れることが決まった際、「ではぜひ有馬もレポートを」との素敵な社長命令を受け、行ってきました…有馬温泉!

 

 

日本屈指の名泉、有馬温泉

 

有馬温泉は、兵庫県神戸市北区にある温泉で、日本三古湯のひとつです。古くから愛され続けている日本屈指の名泉として親しまれています。

 

さて、勢い勇んで有馬温泉へ到着!したものの、台風の影響からか当日はあいにくの雨模様…。

 

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しかし8月というシーズンもあってか、街を歩けば傘を差しながらそぞろ歩く観光客の姿も意外とたくさん見えてきました。

 

ということで気をとり直し、風雨からカメラだけは守りつつ、気をとりなおして取材続行です!

 

 

有馬温泉が誇る、観光カリスマの存在

 

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古くから多くの観光客を集めてきた有馬温泉ですが、実は「阪神淡路大震災や景気の低迷などの影響を受けて、観光入込客数がピーク時の1991年の192万人から、1995年には102万人まで落ち込んだ(観光庁HP:http://www.mlit.go.jp/kankocho/shisaku/jinzai/charisma/mr_kanai.html)」という背景が。

 

しかしそこから、とある人物のさまざまな取り組みが功を奏し、昨年2013年(平成25年)の観光入込客数は152万人(神戸市HP:http://www.city.kobe.lg.jp/information/press/2013/06/20130612142001.html)と、大きな回復を遂げてきているのです。

 

その人物の名は、有馬温泉旅館「陶泉(とうせん)御所坊(ごしょぼう)」ご主人の金井 啓修(かない ひろのぶ)氏

 

「温泉観光を核にしたコミュニティビジネスでまちのブランド力向上と活性化を進めるカリスマ」として、観光庁による「観光カリスマ」にも選定され、有馬温泉のブランディングを語るうえで欠かせない人物となっています。

 

では、このカリスマの協力のもと、有馬温泉はいったいどのような取り組みを手がけてきたのでしょうか?有馬の街を歩きながら、風景の中に隠れた金井氏の取り組みの”ほんの一部”をみていきたいと思います。

 

 

1.外湯を整備し、そぞろ歩きできる環境づくり

 

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建物の横には足湯場が設置され、たくさんの人が座って足湯を楽しんでいる光景に思わず足を止めた、「金の湯」。こちらは、かつての「温泉会館」を、2002年に建て替えたものだそうです。

 

もともと「温泉会館」が唯一の外湯だったのを、外湯めぐり日帰り温泉の需要が高まるのに伴い、神戸市が2001年に「銀の湯」、2002年には「金の湯」を開館。

 

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また、外湯の施設内では飲食スペースをつくらずに温泉を楽しんでもらえるスペースを広げ、また「銀の湯」や「金の湯」などを別々の場所に整備することでそぞろ歩きのできる環境が整えたとか。

 

結果として訪れた観光客は周辺の飲食店を利用するようになり、地域の経済活性化にもつながっているのだといいます。

 

 

 

2.「まちなみ」を考えるしかけづくり

 

「金の湯」の建物のそばに、気になる看板を発見しました!

 

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「景観形成市民協定 まちなみ基準」

 

金井氏が取り組んだ古い建物を活かしたホテルの再生や、まちを歩かせるしかけづくりをきっかけに、有馬の人々は古い建物が集客につながることを理解しはじめ、まちなみを考えるようになったといいます。

 

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有馬町活性化委員会には「まちなみ部会」が発足。さきほど発見した看板のように、建物の高さ、色彩への配慮、看板、門などに基準を設け、有馬らしいまちなみをつくろうという考えが地域全体に広がりつつあるそうです。

 

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通常は真四角なイメージのコンビニも、有馬では「勾配屋根」!

 

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3.外国人観光客の誘致

 

有馬温泉の街を歩いていると、看板が日本語はもちろん、必ずと言っていいほど英語、中国語、韓国語多言語で表記されていることに気づきます。

 

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ひとつだけではなく、ほとんどの看板でこのような表記に。きちんと意識されて多言語表記されていることを感じます。

 

そういえば、有馬温泉駅でも、街中でも、ハングル文字が表紙に書いてあるガイドブックらしきものを手に歩く韓国からの観光客の姿をちらほら見かけました。

 

「日本の温泉を求めてやってくる外国人にとって、国際空港からでは、有馬温泉が近い」。そう考えた金井氏は、外国人客を案内できる日本情緒あるスポットづくりとともに、外国人スタッフの雇用など、さまざまな誘致策をとってきたとのこと。効果が確かに表れてきているようです。

 

 

 

4.イベントでにぎわいづくり

 

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あいにくの雨模様でこの日は中止の予感ですが、こちらは「有馬納涼川座敷」の舞台。

 

夏の期間中、有馬温泉を流れる有馬川のほとりにこのように川床風の座敷が用意され、「芸妓さんによる踊りを披露する、芸者さんのビアガーデン」で、夏の情緒を楽しむことがきるというものです。

 

今では毎年恒例となったこのイベントも、もともとは金井氏らが震災復興イベントとして企画したものだったとか。

 

 

 

5.モノづくり人間が集まるしかけづくり

 

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「金の湯」のほど近く、何やら楽しげな外観と工作風のディスプレイに足を止めると、そこは「有馬玩具博物館」。

 

こちらは、からくり人形作家の西田昭夫氏とおもちゃ作家の故・加藤裕三氏とが、金井氏のギャラリーで作品展を開いたのをきっかけに、有馬で玩具の博物館をやろう、と意気投合して生まれた博物館なのだそう。

 

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モノづくりと有馬は、以前は関連がないと言われていたそうですが、金井氏は、有馬の立地条件や自然環境にはモノづくりをする人々が集まる要素があると考え、ギャラリーや博物館の設置などの取り組みも進めているそうです。

 

さまざまな面から可能性を切り拓くアプローチ、学びになります。

 

 

 

有馬温泉から学ぶ、地域のブランディング

 

50万人を呼び戻し、今なお発展を遂げている有馬温泉の活動事例、いかがだったでしょうか。街を歩けば、いたるところに「なるほど…」と思える、「有馬温泉に来たくなる」、旅人に親切なしかけがありました。

 

当日は雨の日だったからか、いろいろなお店を訪れるたびに目に入った、こちらのマーク。

 

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温泉街のいろいろな施設やお店の傘立てにこのマークがあり、その近くに温泉街専用傘がたてかけられていました。

 

気になって調べてみると、2007年に有馬温泉旅館協同組合が約1,500本の専用傘を購入し、貸し出しはじめたのだとか。もしや…と思ってくわしく読み進めていくと、やはりこのしかけの陰にも、同組合の専務理事として、金井氏のお名前がありました(有馬在住(ブログ):http://arima-onsen.blog.ocn.ne.jp/from_arima/2007/06/post_7.html)。

 

「雨でも街歩きを楽しんでほしい」。

 

雨の中そぞろ歩く大勢の観光客を目の当たりにしながら、その思い、確かに効果を発揮しているなと感じました…!

 

 

 

参考URL:

・国土交通省HP「観光カリスマ一覧」>金井 啓修(かない ひろのぶ)
http://www.mlit.go.jp/kankocho/shisaku/jinzai/charisma/mr_kanai.html

 

 


アイクリエイト・ライター

株式会社アイクリエイトのライターです。

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