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  • 2014年10月09日

ブランディング

“人を連れてまた行きたくなる飲食店”の条件って?ある日のディナーから考えた、思わずファンになるお店づくりのポイント

こんにちは。編集部のわたなべです。

 

突然ですが、事前リサーチもなく、通りがかりでふらりと入ったレストランやカフェで予想以上に満足度が高いと、嬉しくなったりしませんか。

 

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そんなときは「ここいいなぁ。他の友だちも連れてまた来よう」と思う方も多いはず。

 

視点を変えてみれば、知らないうちにしっかりと“リピーターの一歩”を踏み出し、誰に頼まれたわけでもなく自分から“新規顧客の紹介”がしたくなっている状態です。

 

先日、打ち合わせ終わりに、じゃあ近場でごはんでも・・・と偶然入ったお店が、まさにそんなお店でした。何も知らずに入り、帰る時には全員がそのお店のファンに。たった数時間の間に上のような気持ちにさせる、その秘密は何なのでしょうか?

 

というわけで今回は、そのお店でのお客としての体験をシェアしながら、“人を連れてまた行きたくなる”、思わずファンになってしまうお店づくりについて思いを巡らせてみたいと思います。

 

 

飲食店のよしあしを、私たちは何で判断している?

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私たちが飲食店を「よかった」「よくなかった」と評価するとき、一般的には何を基準にその評価がくだされているのでしょうか。

 

評価サイトなどを参考にすると、あげられているのはだいたい5つの要素。料理、サービス、雰囲気、ドリンク、コストパフォーマンス

 

ここで、総合的にそれぞれの要素について分析していくのは今回の記事の主旨ではないので、しません(笑)。

 

ただおそらく、ここで挙げた5つの要素がそれなりに満たされていれば、それなりの満足度がえられる。「機会があったらまぁ、また利用しようかな」くらいのリストには入る、という解釈に、ひとまず立ってみます。

 

では、合格点である五角形を満たした上で、「機会があったらまぁ、また利用してもいいかな」と「人を連れてぜひまたこよう!」と思わせる違いは、何なのでしょうか・・・?

 

 

 

「他にはない」が提供されている

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今回自分が純粋なお客という立場から、「このお店、いいな・・・!」と思った瞬間を思い返してみると、共通項がありました。

 

それは、「驚きがある」こと。

 

食べものにしても、サービスにしても、通常他のお店では提供していない(=お客の立場からも期待していない)ものが提供されたとき、つまり期待値を超えたときに、人は「おお!」と驚いて感動し、それが高い満足度につながるようなのです。

 

たしかに、「期待値とのギャップがバリューになる」などの文言自体は、ここそこでよく耳にする事柄ではありますよね。それが「たしかに・・・!」と実感を伴って体得できたという感じです。

 

さっそく、今回訪れたお店での例を振り返りながら、実感ポイントをまとめてみました。

 

 

①理念:共感できる取り組みをわかりやすく打ち出している

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まずこちらのお店、オーナーが東北出身ということで「地元、復興支援への取り組み」「2013年野菜ソムリエ協会認定レストラン」という2つのこだわりが、初めて訪れた人にもわかりやすくメニュー内などに明記されていました。

 

このお店が何にこだわっているのか、その姿勢がはっきりとしていて、しかも共感のできる事柄であるとき、「他のお店よりも、ここに来よう」というモチベーションにつながりますよね。

 

 

 

②料理:人に話したくなる!味わいと見た目

 

「あ、おいしかったよー」。これは友人に飲食店に対する感想を聞いて、わりとよく遭遇する反応ではないでしょうか。

 

むしろ聞かれなくても自分から「ここの●●(メニュー)、すごいんだよね!」と言ってしまう。それはどんな場合かと考えると、やっぱり何かしらで通常の期待値を超えた、という驚きがあったとき。

 

今回のお店では、どのお料理も味がおいしかったのですが、盛り付けにもかなりのこだわりを感じていました。たとえば、「バーニャカウダ」を注文したら、出てきたのはこんな感じ。

 

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高低差のある迫力のプレゼンテーションに、一同思わず「おぉっ」と歓声。もちろん見た目だけではなく、珍しい野菜もたくさん用いられていて、野菜ソムリエ協会認定店という素材へのこだわりもひしひしと伝わってきます。

 

個人的には、直径8ミリ程度のマイクロトマトがかわいくてツボでした。

 

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「ここのバーニャカウダ、すごいんだよね」と思わず自分から知人に話したくなってしまう、そんなメニューにまんまと心をつかまれてしまったようです。

 

・・・とここまでは、“飲食店をやるなら名物料理をつくれ”とよく言われるように、よくある話といえばそうかもしれません。人に話したくなってしまうほどの料理、確かに強いかも。

 

 

③サービス:自分がされて、嬉しいサービスを臨機応変に提供

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お腹もいっぱいになり、おいしい料理と感じのよい店員さんたちにひとしきり満足した私たち。でも実は、この記事を書こう、と背中を押した最後の驚きポイントはこの後にありました。

 

食事が終わってお会計をお願いしたのですが、しばらく待っていても、混雑しているからかなかなかお会計がやってきません。忘れられていないかな、と不安になって店員さんに確認をすることに。

 

ちなみにここでの期待値は、日本のマニュアルによると「失礼いたしました。すぐにお持ちいたしますので、少々お待ちください」くらいでしょうか?

 

でも返ってきた答えと行動は、ちょっと違いました。

 

「申しわけありません。ただいま準備しておりますので、ちょっとこちらをお召し上がりつつ、もう少しだけ、お待ちください」

 

と言って、笑顔でさりげなく差し出された、こちら。

 

 

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大量のチョコレート!

 

しかもチョコレートを一人一つずつ、というわけでもなく、瓶ごと私たちのテーブルにどん、とサーブ。いくらでも気のすむまま、いくらでもお好きなだけお召し上がりください、むしろお持ち帰りすらも自由といえる状態に。

 

あれだけお腹いっぱいだった私たちも、甘いものは別腹、そしてこの“特別感”にすっかり気分がよくなり、お会計待ちの時間も楽しくチョコレートに夢中になっていました(笑)。

 

トラブルの対応にこそ企業や人の真価が問われるとは言いますが、ともすればクレームにつながりかねない状況も、むしろファンにする機会にしてしまう・・・というところに大いなる学びを得ました。

 

しかも、ご覧の通り瓶の中には店舗の紹介カードがさりげなく差し込まれています。これは持って帰って、誰かに話したくなる、紹介したくなる…。「なるほど、確かに…」なポイントが、ここにもありました。

 

 

まとめ

 

お客視点で体験した“人を連れてまた行きたくなる飲食店” のポイント、いかがだったでしょうか。もちろん主観的なまとめなので、これがすべてというわけではないと思います。

 

ただ、働いているとどうしても企業側の視点になりがち。こうして意識的に立場を離れ、いち消費者になってみることで、同じ事柄でも「なるほど、確かにこういうことだよね…」とスッと腑に落ちる瞬間があるのではないかと思いました。

 

ちなみに今回の記事でご紹介したのは、「吉田パスタ」さん。すでにマスコミでも数多くとりあげられていたり、本を出版していたりとかなり有名なお店だったのですが、たまたま居合わせた3名は全員が予備知識がゼロだったんですね

 

にもかかわらず、それでもお店を出る頃には、全員がすっかりファンに。人気店となるのも頷けます。サービスを生み出す側だけでなく、サービスの受け手の視点も常に持つこと。これからも意識していきたいと思います。

 

 


アイクリエイト・ライター

株式会社アイクリエイトのライターです。

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